昨年10月~12月に実施されたヒアリングにおいて、金融庁が「顧客本位の取組みが評価できるとした保険代理店(優績5店)」に対して、今年の1月に実施した追加ヒアリングの項目の一部を公開します。
- 対象代理店:福岡2店、長崎・大阪・愛知各1店、各社員数10名~60名規模
- 項目:「経営理念」・「経営理念の従業員への浸透策」・「経営理念に基づく業務運営の取組み」の3点を中心にアトランダムな質疑応答
- 経営理念の社員への浸透のために、どのように取り組んでいるのか?勤務型代理店はどうか?
- 会社の仕組みはどう落とし込んで継続しているのか?
- 経営理念のベースにした態勢に変えて顧客の評価は変わったか?業績とリンクしているのか?
- 経営理念に合わない社員にはどう対応しているのか?
- 社員の給与は固定給か?歩合給の場合、顧客本位の取組みをどのように確保しているのか?
- 社員の評価体系・評価項目はどうなっているのか?
- 営業ノルマを課しているのか?(課している場合)達成できない場合、どう処遇するのか?
- 代理店手数料体系に関して、何か意見はあるか?
- 特に生保の代理店手数料のあり方に対し、意見はあるのか?I字、L字等についてどう思うか?
- フルコミッションの給与についてどう思うか?募集にバイアスがかかるのではないか?
- 乗合代理店で各社のポイントが異なる場合、どう対応しているのか?
- 保険会社主催のキャンペーンには参加しているのか?具体的な内容は?
- 誰がどのように表彰されるのか?
- 商品キャンペーンで顧客本位は徹底できるのか?
- 乗合代理店の場合、推奨方針と齟齬は生じないのか?顧客に明示しているのか?
- 顧客情報の共有化に社員の抵抗はないのか?顧客の反応はどうか?
- 「お客さまの声」に対し、そのような対応を行っているのか?
- 組織化を進めるために重要なポイントは何か?
- 組織として顧客本位を徹底していくためのポイントは何か?
- (乗合代理店に対し)現在乗りあっている会社の乗合理由は何か?
- (専属代理店に対し)顧客のニーズに応えるためには、乗合の選択肢になるのではないか?
- 取引保険会社の中で、顧客本位の姿勢を感じる会社はどこか?
- 今後の成長戦略をどのように描いているのか?
など、検査マニュアルや監督指針には決してない、金融庁が保険代理店の募集実態や業界の実態を把握するための内容がヒアリングされました。形式上において内部規程や帳票を作成して、未だそれを体制整備と位置づけしているような代理店(店主)が存在するようであれば、間違いなく上記、金融庁からのヒアリングに対する回答はできないのでは?と思います。金融・保険業界の時代の変化のスピードは予想以上に早くなってきています。今では「体制整備」のワードのさらにその上、「顧客本位」がキーワードです。
2017年も残り4ヶ月。2018年の新体制、再編に向けて、自社の今年の体制整備のレベルを外部監査等で確認してみてはいかがでしょうか?