平成28年5月29日の改正保険業業法の施行によって、規模が大きい特定保険募集人(乗合15社以上または事業年度中の手数料収入が10億円以上)には、帳簿の備え付けと事業報告書の提出が必要になったことは、既にみなさん知っていることと思います。
今年の6月に決算を迎えた代理店においては、9月までに管轄財務局に提出が済み、11月下旬~12月にかけて実施される「提出後の財務局によるヒアリング」を待っている状態でしょう・・・
「えっ?財務局によるヒアリング?」
とのキーワードに驚いた人もいますよね。
提出後は、管轄の財務局によるヒアリングが実施されます。
実は、提出して終わり・・・ではないんです。
ただ、数字を拾い上げて報告書を作成して提出すればいい・・・なんて甘く考えている保険代理店さんは要注意ですよ。
9月に決算の保険代理店は12月末までの提出期限。
12月に決算の保険代理店は3月末までの提出期限。
来年3月決算の保険代理店は6月末までの提出期限。
このどれかのパターンが多いとは思いますが、
提出の補正依頼が財務局よりなければ、そこから二週間後にヒアリングシートが送付されてきます。そして・・・三週間後にヒアリング実施(1.5時間~2時間)
12月に提出予定の保険代理店は、早ければ2月中旬にヒアリングが実施される予定になるというわけです。
2017年の初め、「昨年ヒアリングを受けた保険代理店には、当面ヒアリングも検査も入らない」との噂が流れましたが、どうやらそれは関係ないようです。
しっかり「過去において金融庁・財務局によるヒアリングを受けたことのある保険代理店においては、その後の状況を記載してください」との記述があります。過去にヒアリングを受けた保険代理店は、特に「進化!」「改善!」が求められ、PDCAの有効性が問われることになるわけです。
だからこそ、事業報告書の提出前の段階から、再度、社内のPDCAの有効化を振り返って、形骸化しているところの徹底改善を促すことが重要です。
また、これから決算を迎え、事業報告書の作成はこれからです・・・という保険代理店の方は、早い段階から各保険会社に数字を出してもらうよう催促をしてください。
エクセルデータで出してくれる保険会社、PDFで出してくる保険会社と、バラバラです。
データは絶対にエクセルデータで貰ってください。
そうしなければ、とんでもなく多忙になります。
ある保険代理店の経理の方が勘違いしていました。「保険会社がすべて法人、区分毎に数字を出してくれる。私たちはそれと転記するだけでは?」と・・・
これは完全に間違いです!
とてつもない作業量となります。
某国内生保会社のデータにおいては、昨年の4月から一部データ集計表記が変わったため、途中から見方が面倒なものもあります。
ゲートウェイからの数字だけを引き込んでも、意味が理解できないのもあります。
保険会社の担当者も「初めてのことなので、私たちもわかりません」と一言です。
手数料をペットネーム毎に・・・
手数料の法人、個人の比率は・・・
通常の手数料の他に入ってきているボーナスインセン等の個人、法人の比率は・・・
契約件数の個人、法人の比率は・・・
苦情件数は、自店で受け付けた苦情のほか、保険会社が受け付け、連携されたものを含んだ件数ですか?
また、平成26年度・平成27年度について、「-」とのご回答ですが、御社にて受付けた苦情件数が分かるのであれば、記載してください・・・
など補正を求められるケースもあります。
いずれにしても、慌てないために事業年度終了前の段階から、集計作業と再度、PDCAの振返りとヒアリング対策は必要ですよ。
※事業報告書の作成の仕方で分からない点がある保険代理店のご担当者の方は、いつでもご相談ください。スポットでのアドバイザリー対応も可能です。